2019年1月19日の日本テレビ系列「世界一受けたい授業」で放送された、マルトリートメントの予防対策法(第2弾)についてご紹介します。教えてくれたのは、医学博士の友田明美先生。
マルトリートメントとは、不適切な養育のこと。
これにより子どもの脳が変形し、成長過程において様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、子どもを怒りすぎた時の対処法など、子どもの脳にダメージを与えない正しい養育方法が紹介されましたのでまとめます。
マルトリートメントは子供の脳を変形させる
マルトリートメントに関する授業は、今回が2回目。
前回に引き続き、「子どもの脳を傷つける親たち」の著者である友田明美先生が教えてくれました。
▼前回の内容は下記でまとめています。
マルトリートメントとは、不適切な養育のことを指します。
詳細は前回の記事に記載していますが、マルトリートメントにより子どもが極度のストレスを感じると脳が変形し、成長過程において様々な悪影響を及ぼす可能性が生じるというもの。
寿命が20年縮んだという研究結果もあります。
親の何気ない行動・言葉が原因となる場合もあるため、十分に気を付ける必要があります。
今気を付けたいマルトリートメント
SNSで注目を浴びたい親
1歳の我が子にインスリンを打ってわざと低血糖の状態にさせ、病院へ駆け込んだという親が実際にいました。
この目的は、SNSで注目を浴びるため。
子どもを献身的に看病する母親を演じることで同情を集め、自己愛を満足させるのです。
このような自分のために子どもに危害を加える親が、今急増しています。
子どもは感情をつかさどる前頭前野が縮小し、変形してしまう可能性があります。
自分では気付きにくいため、友人など周りの人が気付いてあげることが大切です。
1人で留守番を多くさせる
子どもに1人で留守番を多くさせ過ぎると、子どもは「家族とのつながりが少ない」と感じ自己嫌悪に陥ってしまう可能性があります。
すると、脳の中央の脳梁が小さくなりコミュニケーション能力に支障が生じるリスクが高まります。
どうしても留守番が必要な時は、帰ったときに思い切り褒めてあげましょう。
ネグレクト(育児放棄)
ネグレクト(育児放棄)を受けた子どもは、普通なら喜ぶ「ご褒美」に脳が反応しなくなります。
これは、脳の中央の脳梁が小さく変形してしまうため。
どんなことにも関心をもたない無気力な大人になってしまう可能性があります。
変形した脳を治す方法とは?
マルトリートメントにより子どもの脳が変形してしまったとしても、親が愛情をたっぷり与え関係を修復することができれば、変形した子どもの脳を治すこともできるそうです。
番組では、ひとつの例として、怒り過ぎたと思った時の子供へのフォローの仕方が紹介されました。
それは、優しく抱きしめること。
子どもの脳の改善には、スキンシップをすることが最も有効な手段。
抱きしめてあげることで脳内の絆ホルモンである「オキトシン」が分泌され、親子の愛情を深めたり安心感をUPさせることができます。
親は完璧を目指さない
子育てで完璧を目指すと、親は現実とのギャップに悩みマルトリートメントに繋がる可能性もあります。
子どもが1歳なら、親も育児年齢1歳。
「そのうちできるようになる」と悩み過ぎないことが大切です。
なお、友田先生曰く、今の日本の育児で最も必要なのは共同子育て。
最新の研究で、親戚など第三者が関わった子どもの方が脳のネットワークがより発達するということが判明したそうです。
育て中の親御さんは、1人で抱え込まずに周りにどんどん頼っていきましょう。
友田明美さんの著書
今回教えてくれた友田明美先生の著書です。
不適切な養育が子どもの脳に及ぼすダメージの詳細が書かれています。
まとめ
今回は、マルトリートメントの予防・対策法についてご紹介しました。
子どもを知らないうちに傷つけてしまっているかもしれないと思うとドキッとしますよね。
子育てというのは教科書がないので本当に難しいものですが、たとえ失敗したことがあったとしても、それに気付いて改善していくことがきっと大切なんだと思います。
子どもと共に親も成長していくんですよね。
子育て中の方は、今回の内容を是非参考にしてみてくださいね。