2019年5月28日のテレビ朝日系列「名医とつながる!たけしの家庭の医学」では、脳出血の予防改善方法を紹介!教えてくれたのは、国立循環器病研究センターの猪原匡史先生。人の名前が出てこないというもの忘れは、実は脳出血のサイン。そこで、早期発見できる1分間言葉思い出しテストや、舌を動かす簡単口ストレッチのやり方・効果などについてまとめました☆
もの忘れは脳出血のサイン
毎年4万人が命を落とす脳出血。
そのサインとして今回紹介されたのが、なかなか名前や言葉が出てこないなどのもの忘れ。実は、もの忘れがある方の中には既に小さな脳出血を起こしている可能性があるとのこと。
これまでは脳出血といえば強い症状が出て診断されるものでしたが、4年前に発表された研究において、健康な人の脳内でもすでに小さな脳出血が起きていることが判明。この小さな脳出血は、将来大きな出血を招く可能性もあるため要注意です(認知症のリスクも約2倍に上がります)。
【研究内容】
60~70代の健康な男女140名の脳を特殊なMRIで検査したところ、約3人に1人が小さな脳出血を起こしていたことがあると判明。
もの忘れと脳出血はどう繋がっているのか?
記憶している言葉を口に出す能力は、脳内の「基底核」という部分の働きによるもの。基底核の周りの毛細血管は非常にもろく、小さな脳出血を起こしやすい特徴があります。
そのため、一度出血してしまうと周りの神経の情報伝達がスムーズにいかなくなり、もの忘れに繋がってしまうのです。
脳出血を早期発見「1分間言葉思い出しテスト」のやり方
小さな脳出血を早期発見できる1分間言葉思い出しテストのやり方です。このテストは実際に医療研究の現場でも使われているもの。小さな脳出血を早い段階で見つけることができれば、将来的に起こるかもしれない大きな脳出血を防ぐことができます。
やり方
50音の1文字から始まる言葉を、1分間にできるだけたくさん言う。例えば「あ」の場合は、雨、赤い、歩く、アリ、汗・・・など。名詞でも動詞でもOKです。
【診断方法】
1分間に10個以上言えた方は問題なし。10個未満だった方は小さな脳出血のリスクありと判断します。
脳出血の真原因は虫歯菌
脳出血の主な原因は高血圧ですが、小さな脳出血の原因は虫歯菌(特に悪玉虫歯菌)。
悪玉虫歯菌は、今虫歯がなくても過去に一度でも虫歯になったことがある人は口内に繁殖している可能性があります。
口の中で異常に増えてしまうと、口腔内の傷口などから悪玉虫歯菌は体内へ侵入します。通常は免疫細胞が退治しますが、数が多いと対処しきれずそのまま全身を流れ、脳の毛細血管に到達します。
毛細血管の内側(壁)には血管内皮細胞という細胞がたくさん存在していますが、加齢などと共に動脈硬化が進むと血管内皮細胞が少しずつはがれ、そこに悪玉虫歯菌がくっつきます。すると徐々に血管を溶かして小さな脳出血を引き起こすのです。
唾液が悪玉虫歯菌を退治する
全ての人の体には、虫歯菌を退治する成分「唾液」が存在します。そのため、唾液をしっかり出すことが予防に効果的といえます。
唾液を増やして脳出血を防ぐ「口ストレッチ」のやり方
唾液の分泌量は加齢とともに減少します。この口ストレッチは、唾液の分泌量を簡単に増やして虫歯菌を退治し、小さな脳出血を防ぐことができる方法です。
口ストレッチは下記3種類。
- 唇のストレッチ
- 頬のストレッチ
- 舌のストレッチ
これらの3種類のストレッチを、1日3回(朝昼晩)を目安に行うようにします。
唇のストレッチ
やり方
1、唇を「うー」とすぼめ、5秒キープする。
2、今度は「いー」と唇を横に伸ばして5秒キープする。
3、「うー」「いー」を1セットとし、5セット繰り返す。
頬のストレッチ
やり方
1、口を大きく膨らませ5秒キープする。
2、今度は思い切りしぼませて5秒キープする。
3、膨らませる・しぼませるを5回繰り返す。
舌のストレッチ
やり方
1、舌を大きく突き出し、左・右・上・下とゆっくり動かす。
2、1を5回繰り返す。
まとめ
今回は、脳出血の予防対策方法についてご紹介しました。
加齢とともに増えてくるもの忘れ。ただの歳によるものと思っていたら、実は脳出血のサインの可能性もあるとは恐ろしいですよね。
1分間の言葉思い出しテストや舌ストレッチはどちらも簡単にできるので、早期発見や予防のために是非参考にしてみてくださいね。