2019年3月5日のテレビ朝日系列「名医とつながる!たけしの家庭の医学」で放送された、干し椎茸のダシについてご紹介します。大腸ポリープを抑制する栄養成分・グルタミン酸が昆布よりも豊富に含まれており、大腸がんのリスクを下げる効果が期待できます。栄養成分や健康効果、効率的なダシのとり方などについてまとめました☆
大腸がんとは?
今年1月に厚生労働省が発表した「日本人が多く患わっているがん」で、第1位となったのが大腸がん。
加齢などが原因で大腸が老化すると大腸の中にポリープができ、これを数年間放っておくとがん細胞へと変化してしまう可能性があります。
大腸がんは発症から5年で約4人に1人が亡くなるというデータもあるので、早めのに対策することが大切。
大腸ポリープががん化する原因は
- 飲酒
- 喫煙
- 肥満
など様々ですが、詳しいメカニズムはまだ研究中です。
「グルタミン酸」が大腸ポリープを抑制する
グルタミン酸とはアミノ酸の一種で、3大旨味成分の1つとも言われています。
肉類・トマト・チーズ・野菜などにも含まれていますが、特に昆布に多く含まれており、日本料理の基礎としても活躍する栄養素です。
そもそも腸の壁の細胞は栄養や水分を吸収する働きがありますが、食べ物と一緒に発がん物質や毒素が腸に入り込むと
- 体内に侵入して病気の原因になる
- 腸の細胞をがん化する
といった悪影響を及ぼします。
グルタミン酸は、腸にある粘液(バリアのような働きをするもの)を増やして発がん物質や毒素を体外へ排出する作用があるため、ポリープや大腸がんの予防効果が期待できるのです。
実際、5000人を対象に20年間にわたり調査をしたところ、グルタミン酸を多く摂取した人はしていない人に比べて大腸がんになるリスクが42%も低いという結果が出ているそうです。
グルタミン酸を十分に引き出す昆布だしのとり方
京都の老舗料亭のご主人が、グルタミン酸を十分に引き出すレシピを教えてくれました。
一般的な一番だしには、1ml中71㎍のグルタミン酸が含まれるのに対し、この方法でとると198㎍も含まれます。約3倍ですね!!
材料(20人分)
- 利尻昆布 60g
- 水 3.6リットル
- かつお節 100g
作り方
1、昆布を水に入れて火にかけ、60度で1時間煮る。
鍋底に泡が出る60度で煮ることで、グルタミン酸をしっかり抽出できる。
2、昆布を鍋から取り出し、一気に85度まで加熱する。
3、かつお節を鍋に入れ、かつお節が沈んだらすぐにザルでこす。
グルタミン酸を豊富に含むダシ食材と、ダシのとり方
番組では、昆布以外にグルタミン酸を豊富に含むダシ食材4つ(イリコ・サバ節・アゴ・干し椎茸)を調査!!
その結果、干し椎茸でとったダシにダントツ多く含まれており、その量は昆布の約8倍にものぼります。つまり、大腸がんのリスクを下げるのに最も効果的ということです!
イリコのダシ
ダシの取り方
1、常温の水(1リットル)に煮干し(ふたつかみ:頭や腹ワタを取らない)を入れる。
2、蓋をして30分おく。
3、中火で5分、アクを取りながら煮る。
サバ節のダシ
ダシの取り方
1、常温の水(1リットル)にサバ節(ふたつかみ)を入れる。
2、中火で煮る。
3、アクを取りながら5~6分ほど煮る。
アゴのダシ
ダシの取り方
1、常温の水(1リットル)にアゴ(ひとつかみ:腹ワタを取り出す)を入れる。
2、イリコ(ひと握り)を加える。
3、蓋をして一晩常温でおき、アクを取りながらひと煮立ちさせる。
合わせ味噌と相性抜群です!
干しシイタケのダシ
ダシの取り方
1、ジッパー付きの袋に干しシイタケ(10個)を入れ、水(1リットル)を加えて冷蔵庫に入れる。
2、10時間後、鍋に戻し汁を入れる。
3、最後にひと煮立させる。
まとめ
今回は、大腸がんのリスクを下げるダシについてご紹介しました。
ポイントをまとめると・・・・・
- グルタミン酸は腸の粘液を増やしてがん細胞や毒素を排出し、大腸がんのリスクを下げる
- グルタミン酸は昆布に多く含まれる
- 干し椎茸のダシには、昆布の約8倍ものグルタミン酸が含まれる
是非参考にしてみてくださいね。