2019年3月12日のテレビ朝日系列「林修の今でしょ!講座」で放送された、正しいお風呂の入り方検定についてご紹介します。教えてくれたのは、国際医療福祉大学病院の一石英一郎先生。適切な温度や入浴時間、おすすめの入浴剤など、名医が教えてくれた健康長寿に繋がる入浴方法をまとめました☆
入浴は最高の健康法
先生曰く、入浴は最高の健康法とのこと!!
2018年11月の最新研究で、普段から入浴する人は、入浴しない人と比べて将来の要介護になるリスクが29%も減少したことが判明したんです。
ただし、シャワーではなく毎日湯舟にしっかり浸かることが大切!!
これにより血管・心臓が丈夫になり、認知症予防などにも繋がります☆
しかし、正しい入り方をしないと健康パワーが台無しになってしまいます。
正しいお風呂の入り方
それでは、正しいお風呂の入り方を見ていきましょう!!
心臓・血管
血管を丈夫にするお湯の温度は、42度or40度?
血管を丈夫にしてくれるお湯の温度は、40度。
血管の中にはt-PAという成分があるのですが、これは血管内にできた血栓を溶かす働きがあります。血栓は動脈硬化や心筋梗塞の原因になりますよね。
t-PAは加齢とともに減少するのですが、約40度のお風呂に浸かることで増やすことができます。
ポイントは体温。体温が37~39度の高温状態のときにt-PAが活性化して増加するのです。
そのため、40度のお風呂に入るとちょうど良い体温を長時間キープしてくれるというわけです。
ちなみに、42度以上のお風呂に入ると血管を傷めてしまう可能性があり、t-PAの働きも抑制されてしまいます。
どうしても熱めのお湯に入りたい場合は、ぬるめのお湯から徐々に温度を上げていくのがオススメ!血管への負担を軽減できます。
ただし、42℃より上げないようにしましょう。
血管を丈夫にする入浴時間は、5分or10分or15分?
血管を丈夫にする入浴時間は、10分。
血管に関しては、10分以上の入浴は効果がないそうです。
逆にそれ以上長く入ると、脱水症状になって血液がドロドロになり、血栓ができやすくなって動脈硬化のリスクが増加してしまいます。保湿成分も流れてしまうので乾燥肌の原因にもなってしまいますよ。
顏や額にうっすら汗をかく程度を目安にするようにしましょう☆
また、入浴前にコップ一杯の水を飲むと脱水症状を防げるのでオススメです。
入浴前に飲んだ方がいいのは、コーヒーor牛乳?
入浴前に飲んだ方がいいのは、コーヒー。
コーヒーに含まれるカフェインには血行促進作用があるのですが、お風呂に入って汗をかくことで血液内のカフェインの吸収率がアップします!
お風呂上がりには、牛乳がオススメ!
ビタミンAが乾燥肌を予防し、ミネラルやタンパク質が入浴後の脱水症状を防いでくれます☆
血管を丈夫にする入浴剤は?
血管を丈夫にする入浴剤としてオススメなのが、
- 炭酸系の入浴剤
- 塩風呂
二酸化炭素は、毛細血管を広げて血行を促進してくれます。
塩風呂は血流を改善してくれると共に発汗作用もあるので、肩こり・むくみ・冷え性予防にも効果的です。
脳
お風呂に入ることで、認知機能の低下を防ぐアセチルコリンが増加します。
アセチルコリンとは脳にあるホルモンの1つで、認知機能を正常に保つために欠かせないもの。減少すると認知症になる原因になります。
お風呂に入って脳がリラックス状態になると、副交感神経が刺激されてアセチルコリンを増加させることができます。
アセチルコリンを増やすためには、歌を歌うor読書をする?
アセチルコリンを増やすためには、入浴中に歌をうたうようにします!
歌をうたうと自然と呼吸回数が増えるので、よりリラックスして脳内のアセチルコリンを増加させることができるんですね♪
音楽を聴くだけでもリラックス効果が高まるのでオススメですよ☆
逆に、読書は目を使って集中してしまいリラックスできなくなるので、アセチルコリンの分泌が抑制されてしまいます。
電気を暗くして目を休ませながら、できるだけリラックスして入浴しましょう!
アセチルコリンを増やすには、頭or足の裏のどちらをマッサージする?
アセチルコリンを増やすには、入浴中に足の裏をマッサージします。
全身に血液がまわって体温が上がり、リラックス効果が高まってアセチルコリンを増加させることができます☆
より認知症対策に期待できる入浴剤は、生姜の香りorゆずの香り
より認知症対策に期待できる入浴剤は、ゆずの香り。
ゆずに含まれるリモネンには、アセチルコリンの減少を抑制してくれる働きがあります。
疲労・睡眠
運動をしたあとに入浴するタイミングは、運動を終えた直後or1時間後?
運動をしたあとは、30分~1時間あけて入浴するようにします。
運動した直後は傷ついた細胞が熱をもっているため、冷やして修復させることが大切!!
修復した後に再びお風呂で温めることで血管が広がり、疲労回復に繋がります。
汗が気になる場合は、軽くシャワーで流してから時間をあけて改めて湯舟に入るようにしましょう。
ぐっすり眠るために入浴するタイミングは、寝る30分前or2時間前?
ぐっすり眠るためには、入浴するタイミングは寝る2時間前にします。
お風呂が入った直後は脈拍が上がって脳が興奮状態になっているので、なかなか眠ることはできません。
入浴中に念入りに洗った方が良いのは、背中or頭orお尻?
入浴中に背中を念入りに洗うことで、体温が上がって熟睡に繋がります。
肩甲骨の周りには多くの筋肉が集中しているため、動かすことで体を温めることができるんですね。
入浴に関するQ&A
半身浴はダイエット効果がある?
ダイエットのために半身浴をする人も多いですが、実はダイエット効果は期待できません!
消費カロリーを比べてみると、全身浴:2.8kcal、半身浴:1.6kcal。
半身浴で体重が減っていると思うのは、汗として水分が出ただけなんです。
そもそも半身浴は心臓や肺に負担をかけすぎないための入浴法なので、健康な人が行うメリットはないとのことです。
食べてすぐの入浴は良い?
お風呂は、できるだけ食前に入るようにします。
入浴すると胃の血液が減少してしまうので、食後すぐに入ると消化不良になる可能性があります。
食後に入る場合は、最低でも30分~1時間は開けるようにしましょう!
シャワーだけは健康によくない?
シャワーでは体温が十分に上がらないので、お風呂にしっかり浸かることが大切。
お風呂に入ることで、下記2つの作用が期待できます。
- 温熱作用
- 静水圧作用
温熱作用とは、温かい熱によって血管を広げてくれる作用です。
静水圧作用とは、体に水圧がかかることで手足にたまった血液を押し戻し、血栓を予防してくれるものです。
まとめ
今回は、長生きに繋がる正しいお風呂の入り方についてご紹介しました。
ポイントをまとめると・・・
- 入浴は、40度のお湯で10分間
- 入浴前に飲んだ方が良いのはコーヒー
- 認知症のリスクを減らすには、入浴中に歌をうたう
- 入浴中に足の裏をマッサージするのは、認知症予防に効果的
- 認知症対策に期待できる入浴剤は、ゆずの香り
- 良質な睡眠をとるには、入浴は寝る2時間前にする
- 背中を念入りに洗って体温を上げると、熟睡に繋がる
是非参考にしてみてくださいね。